「究極の疲労回復」と「最強の覚醒」をもたらす超一流の眠り方

健康大全
この記事のまとめ
  • 『最高の睡眠』は最初の90分の深さで決まる
  • 睡眠」と「覚醒」は表裏一体
  • 究極の疲労回復は「入浴」「退屈」「就寝定時」
  • 最強の覚醒は「2回アラーム」「裸足」「朝食」「コーヒー」
今回の参考文献はこちら

スタンフォード式最高の睡眠

  • 西野 精治
  • サンマーク出版
  • 209ページ
  • 2017/3/5

あなたはこんな睡眠のお悩みありませんか?

睡眠のお悩み
  • 眠たくて仕事や勉強が集中できない
  • 頭がぼーっとする
  • 朝起きるのがしんどい

あなたが睡眠で悩みを抱えているのは、ある意味当然です。

なぜなら、私たち日本人は世界一「睡眠偏差値」が低い国民だからです。

フランス人の平均睡眠時間は8.7時間。

アメリカ人の平均睡眠時間は7.5時間。

それに対して、日本人の睡眠時間は平均6.5時間

平均1〜2時間も睡眠時間が少ないことがわかっています。

しかもこれは平均で、日本人の40%は睡眠時間が6時間未満であることがわかっています。

これら数字を並べると「日本人よりも睡眠時間の長い国をあげているだけでしょ?」と疑問を持たれる方もいるかもしれません。

そんな方はこちらをご覧ください。

(※表は2019年のOECD加盟国でのランキング)

日本人がいかに『睡眠』という大きな問題を常に抱えて暮らしているかがよくわかります。

今回の参考文献の著者である西野精治氏は、スタンフォード大学のスタンフォード大学睡眠生体リズム研究所において所長を務められ、現在の睡眠研究の第一人者と言っても過言ではない方です。

「世界一の睡眠研究はスタンフォードにある」と言われており、同大学は世界で初めて本格的な睡眠医学の研究に着手しました。

その後は、世界初の研究機関の設立世界初の睡眠障害の系統だった講義世界初の睡眠医学の教科書を編纂と、まさに睡眠研究の総本山とも言える地位を確立しているそうです。

そんな睡眠研究の第一人者が小難しい専門書ではなく、むしろ実用性と即効性を重視たわかりやすい本として書かれたのが本書ということになります。

ただ、著者は「ひとつだけ約束しておきたいのは、根拠なき話は書かないということ」を本書で明言されており、このあたりに、本書の信頼性を伺わせます。

そして、これを最後まで読めば『最高の睡眠』に関する以下のことの全てがわかります

これを読むメリット
  • 『最高の睡眠』がわかる
  • 『よく眠る』だけではダメな理由がわかる
  • 『究極の疲労回復法』がわかる
  • 『最強の覚醒法』わかる

最先端で睡眠研究者だからこそ語れる『最高の睡眠』についてのノウハウが凝縮されています。

人生の1/3を占める睡眠。

その質を上げる『超一流の睡眠法』を知りたい学生、ビジネスマン、アスリート、主婦、全ての人に、最後までお読みいただきたいです。

【結論】「最初の90分」が最高の脳と身体を作り上げる

まず始めに、本書の結論からお伝えします。

『最高の睡眠』とは、眠り始めの90分(=黄金の90分)が深い睡眠のこと。

私たち多くの日本人は、『睡眠の改善=たくさん寝る』だと思い込んでいることはないでしょうか?

もちろん、睡眠時間は重要です。

すでにご紹介した睡眠データの通り、日本人は睡眠時間を確保することは大切です。

ただ、忙しい日常を送る現代人にとって、「今以上」に時間を確保するのは現実的ではありません。

さらに睡眠時間が長すぎるとかえって身体に悪いというエビデンスも存在します。

睡眠にまつわる悩みもストレスも「量の確保」だけでは解決しないのです。

では、『最高の睡眠』とは一体どのような状態のこと指すのでしょうか?

それは、眠り始めの90分(=黄金の90分)が深い睡眠のことです。

これが最高の脳と身体を作り上げるのです。

『黄金の90分』とは、眠りはじめのノンレム睡眠のことを指します。

黄金の90分は睡眠全体の中で最も眠りが深くなり、それが睡眠の質を左右します。

逆にこの時間の睡眠が浅い場合、睡眠時間をどれだけ取っても、なし崩しとなる可能性が高いのです。

「睡眠時間はたっぷり取ったはずなのに、スッキリした朝を迎えられない」

これは、黄金の90分の質が悪いことが原因です。

しかし、だからと言って『短時間睡眠』を良しとしているわけではありません。

睡眠研究者の立場からも「最低6時間は確保してほしい」とのことです。

では、この『黄金の90分』は具体的に何がカラダに良いのか?

これついて、次は詳しく解説していきましょう。

『黄金の90分』3大メリット

そもそも、なぜ最初の90分が『黄金』になるのでしょうか?

そこには、3つの大きなメリットがあります。

それは、

  1. 寝ているだけで「自律神経」が整う
  2. 「成長ホルモン」が分泌される
  3. 脳のコンディションが良くなる

①寝ているだけで『自律神経』が整う

「なんとなく調子が悪い」と感じることはありませんか?

これは、自律神経の乱れによって引き起こされている可能性が高いです。

そして、その自律神経を整える最高の方法が睡眠です。

  • だるさ
  • 疲労感
  • 日常的な頭痛

これらの大きな原因の一つとして挙げられる自律神経の乱れ。

睡眠の質の低下は、自律神経が乱れを助長し、慢性的な状態へと引きずります。

反対に、最初の90分の眠りが深いほど自律神経は整うことがわかっており、それが『調子の悪さ』を改善する可能性を高めます。

②『成長ホルモン』が分泌される

成長ホルモンの分泌は、最初のノンレム睡眠時に際立って多く分泌されることがわかっています。

全体の約70〜80%を占めます。

最初のノンレム睡眠が短いと、分泌量はその分だけ減ることがわかっています。

つまり、最初の90分を深く寝るだけで、80%近くの成長ホルモンの分泌が確保できることになります。

成長ホルモンは、

  • 細胞の成長や新陳代謝
  • 皮膚の柔軟性アップ
  • アンチエイジング

の役割も果たします。

成長期だけでなく成人にとっても欠かせないホルモンです。

そのため、

美容、老化予防、健康、アスリート、ビジネスマン、全ての人にとって90分は黄金となり得るのです。

③『脳のコンディション』が良くなる

実は、脳と眠りの関係については、まだ謎が多いのも事実です。

ただ、うつ病や統合失調症の患者は、最初の90分が乱れていることがすでに多くの研究によってわかっています。

そこで、

  • 黄金の90分には、脳のコンディションを整える働きがある
  • 脳のコンディションが黄金の90分に反映される

と言う仮説は、少なくとも成り立ちます。

これは経験的に言ってもわかります。

最初の90分が睡眠全体の質に大きく作用するのであれば、脳のコンディションに影響がないわけがないです。

ほとんど間違えないと言って良いレベルの話でしょう。

番外編:「どうしても資料を作らないと…」な夜の過ごし方

そうは言っても、

「どうしても次の日までに資料を完成させなきゃいけない…」

「徹夜してでも終わらせなければならない仕事がある…」

忙しいビジネスマンには、そんな時があるものです。

もちろん、これが慢性化していれば問題ですが、時にはそのような大事な日も訪れます。

その様な場合、睡眠医学の観点から、どのようにしたら良いのでしょうか。

正解は、

眠気があるならまずは寝てしまい、黄金の90分が終了した最初のレム睡眠のタイミングで起きましょう。」

おそらく多くの人はこの逆です。

眠気を堪えて仕事をなんとかやりきり、明け方に仕事が片付いてから数時間寝る

この方法はあまりお勧めできないのです。

なぜなら、眠気で頭が冴えないまま仕事を続けると、効率は低下します。

さらに、仕事が終わった頃には日が出始め、身体のリズムは覚醒に傾くため、頭が冴えて眠れなくなるからです。

もしくは、深い眠りに入れずに、睡眠の質が悪くなることで、最悪のコンディションで次の日を迎えることになります。

そのため、まずは『一旦早めに寝る』がこの場合の解決策となります。

スタンフォード式『最高の睡眠法』

それではここからは、スタンフォード式『最高の睡眠法』について解説していきます。

まずは大前提となる話から。

『就寝時間』と『起床時間』を固定する

最高の睡眠をする上で欠かせないのは『就寝時間』と『起床時間』です。

「当たり前だろ!」

っと言われてしまいそうですが、やはり基本が大事です。

これを固定することなくして、最高の睡眠は得られないと断言できます。

なぜそう言えるのかについては、後でも詳しく解説しますが、就寝時間というのは、実は非常に厄介な性質を持っていて、「早めるのは難し、遅らせるのは易し」なのです。

これももちろん当たり前の様に聞こえるかもしれませんが、睡眠時間を早めるのは、想像の数倍も難しいというのが現実です。

これは、単なる時間管理の問題ではなく、生体反応の問題なのです。

そのため、できるだけ固定して、睡眠の質を保つよう心がけましょう。

ただ、これを読んでいる方はの中には、

「それが難しいんだよ!」という人や

「普段はできても、『明日だけは特別』」という人もいるでしょう。

また、先ほどお伝えしたように「90分寝てから資料を仕上げても、そのあと素早く寝たい」という人もいるかもしれません。

そこでここからは、最高の睡眠へ導くための2つの『眠りスイッチ』についてお伝えしたいと思います。

最高の睡眠へ導く2つの『眠りスイッチ』

では、ここからは、最高の睡眠へ導くための『眠りスイッチ』について解説します。

これは大きく分けて2つ、それは

  • 体温

です。

体温と脳の眠りスイッチをうまく活用できれば、あなたも黄金の90分を手に入れられます。

そして、質の良い睡眠体験を得ることができるでしょう。

体温スイッチ:入浴で体温を「上げて・下げて・縮める」

まず始めに『体温スイッチ』から。

最高の睡眠へ導く体温スイッチの戦略は

『上げて・下げて・縮める』

です。

この3つの体温の動きを作り出すことができれば、睡眠前の身体の準備が整ったことになります。

一般的には体温を『上げて、下げる』というのは聞いたことがあると思います。

しかし、『縮める』ことも大変重要です。

よくある睡眠本の「深部体温を上げれば眠くなる」というだけでは、正しいとは言えないのです。

睡眠時は皮膚温度と深部体温の差を縮めてこそ、睡眠の質は高まります。

そして、これらを効果的に得る方法として紹介しているのが『入浴』です。

最高の睡眠へ導く入浴方法

ここでは、体温スイッチを効果的に行うための入浴法について解説します。

日本人は欧米人に比べて入浴する習慣がありますから、就寝前に入浴を使わない手はありません。

やり方はとても簡単です。

最高の睡眠へ導く入浴法
  1. 就寝の90分前に入浴をする
  2. 40℃のお風呂に浸かる(熱すぎる温度はNG)
  3. 浸かる時間は15分程度

たったのこれだけです。

エビデンスでは40℃のお風呂に15分程度浸かると、深部体温は0.5℃上がると言われます。

まずは入浴によって深部体温を高めましょう。

そして、深部体温は上がった分だけ大きく下がることがわかっています。

深部体温は下降がより大きくなることで熟睡を促します。

深部温度が元に戻るのに約90分、そして入浴前よりも下がるのがそれ以降です。

就寝90分前くらいに入浴をすることで、入眠をスムーズにすることができます。

また、深部体温は入浴前よりも下がり、それによって睡眠スイッチが入るため、身体は熱放散のために手足に熱を送ります。

これが、眠くなると手足が温かくなり、皮膚温度が高くなる理由です。

深部体温が下がり、皮膚体温が上がることで、温度差が縮まり、さらに入眠の質が高まるのです。

これこそが「上げて、下げて、縮める」という体温スイッチになります。

もしすぐに寝る場合には

本来は入浴をして睡眠の導入をスムーズにすることが良い方法です。

ただし、日によっては90分前に入浴をしようとすると、就寝時間が後ろ倒れになってしまう場合もあります。

その場合にはどうしたら良いか?

この本ではその解決策として「シャワーで済ませるのベスト」と答えています。

なぜなら、入浴を無理やりしてしまうと、深部体温が下がる前にベッドへ行かなくてはならないた目です。

それにより「寝たくても寝れない」という状況に陥ります。

シャワーであれば、深部体温の上昇がほんの少しになります。

小さな上昇は小さな下降となり、短い時間で深部体温の低下を生みます。

そのため、シャワーが良いとのことです。

また、『足湯』はシャワーよりも効果的な即効スイッチになるとのことです。

気になる方は本書で詳しくお読みください。

脳スイッチ:眠りの天才は頭を使わない

脳は言うまでもなく、睡眠の大切なスイッチです。

脳を休息状態にしなければ、身体の睡眠のスイッチを入れても質の良い睡眠は達成されません。

そのためにここでは、

  • 『モノトナス』の法則
  • 入眠定時を守る

の2つの脳スイッチ法について解説していきます。

①『モノトナス』の法則

『モノトナス』とは英語で「退屈、変化のない、一本調子の〜」と言った意味で『退屈な状態』のことを指します。

つまり、入浴後の就寝前は、できるだけ退屈な状態が理想的です。

例えば、ミステリー小説やホラー映画などは頭を使ってり、ドキドキさせられたります。

そう言ったものはできるだけ避け、頭を使わずにリラックスして楽しめるものがいいでしょう。

例えば、NHKのEテレで23時55分から放送されている『2355』などは、まさに睡眠前にぴったりの番組と言えるかもしれません。

あのゆったりとした細野晴臣さんの声と内容が、まさに睡眠を誘います。(もちろん書籍にはこれは載っておりません)

Eテレ2355
2355は、見ると気持ちよくリラックスできる、おやすみ前にぴったりの5分番組です。きょうの終わりに、ほっとひといき。

また、本書では『小難しい本』も良いとします。

睡眠導入読書用として、ドストエフスキーの『罪と罰』ユヴァル・ノア・ハラリの『サピエンス全史』などを家に置いておくのも良いかもしれません。(もちろんこれも、書籍には載っておりませんw)

②『入眠定時』を守る

人は日中の起きている間に『睡眠圧』が上がると言われます。

睡眠圧は概念的なもので、実際に身体にそれがあるかどうかはまだわかりません。

ただ、起きている時間が長ければ長いほど、だんだん眠くなり、睡魔が襲いかかります。

感覚としては「グゥー」っと睡眠がのしかかるような、あの感覚。

あれが睡眠圧だと思っていただければと思います。

本来ならこの圧は起きている間に高まり続けます。

そのため、寝る直前に最もピークを迎えるはずですが、実際にはそうはなりません。

なぜなら、人は就寝時間前の2時間が最も眠りにくいと言われています。

この時間は、なぜか睡眠圧が弱まるんです。

これも、感覚的には理解できるのではないでしょうか。

夕飯後にソファでくつろいでいる時が一番眠い…

もうソファから立ち上がりたくない…

そのまま寝たい…

こんな感覚です。

そして、重い腰を上げてお風呂に入るとあら不思議!

眠気が飛んでいるじゃありませんか!

そして、夜ふかしの道へまっしぐら…

これが一番やばいパターンです。

だからと言って、いつもより早く寝ようとすると

「眠れなくなる」

と言う現象も起きます。

その時は眠れても、夜中に起きてしまう、なんてこともありますね。

睡眠時間というのは

『後ろにずらすのは簡単、前にずらすのは困難』

なんです。

だから、毎日入眠時間をできるだけ固定して、『入眠定時』を守ることが大事です。

本来、入眠前の2時間は眠気が覚めます。

それでも、定時を守って『モノトナス』な状態でいれば、その後問題なく眠気が訪れます。

次の日が早い場合の解決策

人によっては、

「次の日が朝が早いから」

「残した仕事を早く起きてやりたいから」

「早寝早起きの習慣を付けたいから」

といったことから、『早く寝たい』という場合があると思います。

しかし、本書ではこのような場合の解決策としては

「いつもどおりに寝て、睡眠時間を1時間削る」

ことを提案しています。

なぜなら前述の通り、早く寝ることは難しいからです。

皆さんは経験ないでしょうか?

早く寝ようと思ってベッドで横になったものの、寝れず焦ってしまう。

そして、いつもよりも遅く寝たと言う経験。

私はこの本を読むまでありました。

しかし、今はそれをやらないようにしています。

結局、早寝をしようとすると、こうなります。

それよりも、定時厳守の方がしっかり寝れて、黄金の90分を確保できる可能性が高まるのです。

一日で楽にずらせるのは1時間以内までです。

心得ておきましょう。

熟眠をもたらすスタンフォード式『覚醒戦略』

睡眠と覚醒は表裏一体

ここまでは、睡眠に直結する眠りスイッチについてフォーカスしました。

「全く初めて聞いた」

「知ってはいたものの実践したことはなかった」

と言う方は、これらを実践するだけでも、最初の90分の睡眠の深さが改善し、睡眠全体の質を高めることができると思います。

そしてここからお伝えする内容は、スタンフォード式『覚醒戦略』です。

睡眠と覚醒は表裏一体をなしています。

朝起きてから寝るまでの行動習慣が最高の睡眠を作り出し、

最高の睡眠が最高のパフォーマンスを作り出します。

そこでここからは、

最高のパフォーマンスを発揮するための『覚醒』

にフォーカスした内容をお届けします。

最強の覚醒へ導く2つ「起床のスイッチ」

覚醒スイッチは大きく分けて2つ。

  • 『光スイッチ』
  • 『体温スイッチ』

です。

ではまず、『光スイッチ』から。

①光スイッチ

人間の体内時計はおよそ『24.2時間』と言われます。

一昔前は実験の質が悪く、25時間と言われていましたが、今はそれより短いと考えられています。

そのため、放っておくと体内時計は毎日12分ずつズレていくことになります。

そのズレを修正するためのスイッチが『光』です。

体温や自律神経、脳やホルモンの働きも、全ては体内時計のリズムの影響を受けます。

そのため、体内時計がズレることにより、リズムが崩れて調子が悪くなるのです。

では、この光スイッチを入れる方法には、どのようなものがあるでしょうか?

それは、太陽の光は窓を開けるだけで手に入ります。

最も簡単で、お金もかからずに光スイッチを押すことができます。

ですから、必ず毎朝カーテンを開けて太陽の光を浴びる習慣をつけましょう

これは数分程度で十分です。

雨や曇りの日であっても光の成分は脳に届くことがわかっていますので問題ありません。

たまに、朝は遮光のカーテンも開けず、薄暗い中で準備する人もいるようですが、これはもったいない。

今すぐやめましょう!

②体温スイッチ

体温スイッチは睡眠の時と同様に、私たちの覚醒にも影響を与えます。

覚醒時の体温は、睡眠時の時とは逆。

つまり、深部体温をしっかりと上げることが大切です。

方法は後ほど触れますが、まずは体温も覚醒のスイッチだと言うことを頭に入れておきましょう。

スタンフォード式覚醒戦略

ここからは、スタンフォード式覚醒戦略の具体的な実践法に触れていきます。

本書では11個にも及ぶ覚醒戦略を紹介していますが、ここではその中でも厳選した3つをご紹介します。

この3つは誰もが簡単に実践しやすく、効果も期待できます。

ぜひお読みの上で実践してみましょう。

覚醒戦略① 「2回アラーム」で気持ちよく起きる

『最高の睡眠をつくる覚醒』は「目覚めを良くする」ことから始まります。

目覚めを良くするために重要なのは、アラームです。

想像してみてください。

もしあなたが寝ているとき、大きなバズーカの爆発音で起こされたらどんな気分でしょう。

ドッキリの名物企画として、寝起きドッキリというものがありました。

あのように、いきなり大きな音で起こされたら、大変に不快でしょう。

朝起きた瞬間に不快感を感じては、『良い目覚め』は絶対に望めません。

そこでおすすめなのは『アラームを2回セットする』という方法です。

一般的に「睡眠のサイクルは90分で、レム睡眠とノンレム睡眠を繰り返している」という話は聞いたことがあると思います。

そして、レム睡眠時に起床するのがいい目覚めになるというのも、なんとなくご存知ではないでしょうか。

しかし、実際にはこの睡眠サイクルには大きく個人差があります

あるデータによると90分〜120分も違うそうです。

そのため、20分前後で2回のアラームをセットすると、レム睡眠時に起きれるチャンスを増やすことができるんです。

そして1回目のアラームは「ごく微少で、短く」セットします。

レム睡眠時は覚醒しやすいため、小さい音でも目覚めます。

もしそれに気が付かなければ、アラームの問題ではなく、まだノンレム睡眠の可能性が高いです。

また、1回目で必ず起きる必要はありません。

その場合には2回目のアラームで起きればいいだけの話です。

具体的な方法はこちらです。

毎朝7時に起床したい場合

朝7時に絶対起きなければならない!

「6時40分」と「7時ちょうど」にアラームをセット

「6時40分」のアラームは小さく

絶対に起きなければならない「7時ちょうど」のアラームはいつも通り

これでレム睡眠時の覚醒の確率を上げて、『目覚めの良い朝』の可能性を広げることができます。

覚醒戦略② 「裸足」で歩いて脳を刺激する

次は、起床すぐにおこないたいことです。

脳には『上行性網様体』という器官があります。

これは難しいので覚える必要はありません。

そんなものがある、くらいに留めておいてください。

実は、ここを破壊されたマウスは常に眠ったような脳の状態になってしまうことがわかっています

そのため、朝ここを活性化させることで、脳を起こすことができることもわかっています。

そして、その刺激として最も手っ取り早い方法に『裸足』があります。

裸足で床を歩くことで皮膚感覚が刺激され、その情報が上行性網様体へ伝わり活性化されます。

ですから、寝起きはスリッパを履かずに裸足で歩くのがおすすめです。

また、裸足は床によって皮膚温度を下げることで、体温の覚醒スイッチが入りやすくなるので、その意味からも良いでしょう。

同じような理由から朝起きたらすぐに『冷たい水で手や顔を洗う』のもオススメです。

覚醒戦略③ 「朝食」で内臓を目覚めさせる

2回セットのアラームでレム睡眠時に覚醒し、裸足で歩いてカーテンを開けて光を浴び、その足で洗面所で手と顔を冷たい水で洗う。

それが終わったら、次に行うのは『朝食』です。

朝食には、体温を上げ、一日のリズムを整える役割があります。

特に朝の『咀嚼』には、昼夜のメリハリがつく、つまり体内時計を整えることがわかっています

そのため、よく噛むような食べ物を朝に食べると良いでしょう。

例えば、ベーコンやナッツ、野菜サラダなどは咀嚼を必要とします。

さらに、コーヒーなどでカフェインを取るのも良いとしています。

カフェインは場合によっては有害と言われることもありますが、成人一日あたり5杯程度までは許容範囲です。

むしろ適量のコーヒーは2型糖尿病や肝臓がん、子宮内膜がんのリスクを減らすことがわかっています。

血中のカフェイン濃度が半分になるまでには約4時間程度かかることがわかっているため、夕方以降はデカフェに切り替える必要はあるかもしれません。

ただ、覚醒という観点から考えれば、カフェインの力を利用して、日中のパフォーマンスを最大化することは決して悪いことではないようです。

まとめ

以上が本書の内容となります。

本書のポイントを改めて並べると以下の通りにあります。

本書のまとめ
  • 『最高の睡眠』とは最初のノンレム睡眠の深さで決まる
  • 睡眠と覚醒は表裏一体である
  • 究極の睡眠法は「入浴」「退屈」「就寝定時」
  • 最強の覚醒法は「2回アラーム」「裸足」「朝食」「コーヒー」

ぜひ、こちらを読んで興味が湧いた方は、本書をお手に取ってみてください。

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